腕のしびれ① ~胸郭出口症候群~
胸郭出口症候群について
当院にも腕や手のしびれでお困りの方がよくいらっしゃいます。腕や手のしびれの原因としてはいくつかのケースがありますが今回はそのうちの一つ、「胸郭出口症候群」についてまとめてみます。
腕や手のしびれ全般についてお悩みの方はこちらもご覧ください。
特徴・症状
腕を挙げる動作を行うと上肢のしびれや肩や腕、肩甲骨周囲が痛むという特徴があります。他にも筋力・握力が低下したり、手のむくみなどの症状がでることもあります。
腕の挙上により神経が圧迫され、しびれや痛みが生じるため、例えば次のような動作で症状が出る場合は「胸郭出口症候群」の疑いがあります。
- 吊り革につかまる
- 洗濯物を干す
- シャンプーやドライヤーのために腕を上げる
原因
肋骨と鎖骨の間を通る神経が圧迫されることでしびれ、痛みを発生させます。神経は首から脇の下にかけて通っていて、神経が圧迫されやすい箇所として次の箇所があります。
- 斜角筋(しゃかくきん)の間(首の横の筋肉)
- 肋骨と鎖骨の間
- 脇の下
胸郭出口症候群になりやすい生活習慣としては次のようなことがあります。
- 姿勢の悪さ(猫背やなで肩,無理に胸を張った姿勢もよくない)
- 無理な腕や肩の筋トレ
- 腕の挙上が多いスポーツ(野球,バスケット,テニスなど)
セルフチェック
胸郭出口症候群のセルフチェック方法としてルーステストという方法があります。
ルーステスト
- 胸を大きく開くように、肘を肩の高さまで上げます
- 肘の高さはそのままに、肘を直角に曲げ、手のひらを外側に向けます
- 約3分間、そのままの状態で手をグー、パーと繰り返し開閉します
この動作を行っている間に、指の痺れや腕のだるさが出てグーパーを繰り返すことが出来なくなる場合、胸郭出口症候群の疑いがあります。
治療
整形外科では一般的にリハビリテーションによる症状改善を図りますが、症状がひどい場合は投薬・ブロック注射による治療が行われます。これらで改善が見られない場合は手術による治療が行われることもあります。
当院においては、神経圧迫の要因となる姿勢の改善や筋肉の緊張を改善していくことで症状を和らげるようにしていきます。
日常生活の妨げになる不快感はつらいものですが、カラダを整えて根本から改善していきましょう!