腕のしびれ② ~頸椎ヘルニア~

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頸椎ヘルニアについて

当院にも腕や手のしびれでお困りの方がよくいらっしゃいます。腕や手のしびれの原因としてはいくつかのケースがありますが今回はそのうちの一つ、「頸椎ヘルニア」についてまとめてみます。

腕や手のしびれ全般についてお悩みの方はこちらもご覧ください。

ヘルニアとは?

脊椎(いわゆる背骨)を構成する一つ一つの骨(椎骨)の間には、クッションの役割を果たす「椎間板」というゼリー状の組織があります。

椎間板ヘルニアとはこの椎間板が圧迫され、その中の髄核という組織が飛び出している状態を言います。

特徴・症状

頸椎ヘルニアは、上記で説明したヘルニアが頸椎(首)で起こった状態を言います。ヘルニアが頸椎の神経を圧迫することで痛みやしびれなどが発症します。

また、頸椎ヘルニアが圧迫する場所によって現れる症状が異なります。

  • 神経根の圧迫による肩こり、肩や腕へ放散痛やしびれ
  • 脊髄の圧迫により下半身のしびれや歩行困難

症状が強くなってくると首を反らしにくくなり、腕や手に痛みが走るようになります。

肩や腕の放散痛は2~3週間がピークで、その後しびれや鈍い痛みが残ります。これも数週間から数か月で治まることが多いです。

原因

30~50歳代で発症しやすく、直接的な原因がなく発症する事も多いです。

生活習慣上、長時間のデスクワークやスマホ操作、猫背などの姿勢不良が強くなると椎間板にも負担がかかりやすいため注意が必要です。また、加齢や激しい運動なども原因となります。

症状が疑われる場合は専門家に相談し、X線やMRIなどの検査をお勧めします。

治療

一般的に整形外科などが行う治療として、神経根の圧迫からくる放散痛が主な症状の場合は保存的療法がおこなわれます。

痛みが強い時期には、首の安静保持を心掛け、鎮痛消炎剤の服用や神経ブロックなどで痛みをやわらげます。症状に応じて牽引療法を行ったり、運動療法を行ったりすることもあります。頸椎カラーと呼ばれる固定具を使うこともありますが、長期間の使用は筋肉を萎縮させて痛みが残ることもあるため、医師の指導のもと使用するべきです。

これらの方法で症状の改善がなく、上肢・下肢の筋力の低下が持続する場合、歩行障害・排尿障害などを伴う場合は手術による治療となることもあります。

当院においては、姿勢の改善や筋肉の緊張をゆるめていくことで症状を和らげたり、再発防止につなげていきます。

日常生活の妨げになる不快感はつらいものですが、カラダを整えて根本から改善していきましょう!